【まとめ】消滅したF1韓国グランプリの問題点(かかし、消火器などなど)

F1カレンダーから完全消滅したF1韓国グランプリですが、F1ファンの記憶には定着しています。

韓国脱出グランプリとも揶揄(やゆ)され、レースが終わるとすぐにF1レーサーたちが来日します。(または韓国GPのギリギリまで日本に滞在します)

観客がいないためかかしを設置したり、F1マシンに消火器を使ってしまうなど、多くの問題を残していますが、今や伝説となっているF1韓国グランプリをまとめたいと思います。

F1韓国グランプリの開催場所

韓国の南西部、全羅南道・霊岩郡に建設された「韓国インターナショナルサーキット」で2010年から2013年までの4年間だけ開催されました。

2016年までの契約があったのですが、不採算を理由に韓国は撤退します。

韓国の首都ソウルから南西に約400㎞・・・

主要な国際空港である仁川国際空港から400km以上離れているため、F1関係者は車で4時間の移動が必要です。

F1韓国グランプリ「韓国インターナショナルサーキット」

アジアでは最長のストレートを有しており、朝鮮半島をモデルにコースレイアウトを決定したそう。

・全長 5.45㎞

・周回数 55周

・時計回り

もともとは時計回りのコースレイアウトだったそうです。

F1韓国グランプリの問題点まとめ

なぜ、韓国GPはF1カレンダーから消滅してしまったのでしょうか。

表向きの理由は、不採算ですが、それだけなら理由にはなりません。(存続の危ぶまれるサーキットも多くありますが、未だにカレンダーからは消滅していません)

問題点①パドックが掃除されていない

2回目の開催となった2011年のグランプリでチームがサーキット入りした時、冷蔵庫内の食品やごみ箱のごみが2010年の初開催当時そのままに残っていたそう。

問題点②F1関係者の宿泊施設がラブホテル

サーキット会場の周辺にはビジネスホテル風が1軒、シティーホテル風が2軒しかなく、外国人対応可能な宿泊施設も極めて少なかったそう。

F1関係者の多くがラブホテルを兼ねた韓国人向けの宿泊施設に泊まらざるを得なかっただけではなく、なんと、ドライバーですらそこに泊まったそうです。

これが、フェルナンド・アロンソの部屋。年俸40億ともあろうトップドライバーの部屋ですらこれです。

これが、マーク・ウェバーの部屋。

古い6階建てのモーテルであった。ただ今年はスタッフジャンパーを着た女子大生風の子がフロントにいて英語通訳を担当、いちいち彼女に通訳してもらわないとモーテルの番人は全くなにも分からない様子。

部屋に入るとバスタオルがない。ハンガーもない。荷物類を入れておくタンス、クロゼット、棚もない。インターネットなどあるわけない。電話は市内通話のみだ(でも大画面薄型TVだけはデンと置いてある)。

F1関係者は「ホテル」に着いたあと最初にすべきは冷蔵庫のチェックというもの。これは、かつて1年前のかびたサンドイッチが発見されたことを皮肉ったもの

問題点③観客席がからっぽ→「案山子(かかし)」を設置

観客動員の少なさなどから、開催運営側からの謝罪で始まったグランプリとしても有名な韓国GPですが、建設工事の大幅な遅れもあり、観戦客に対するPRも十分に行えず、観戦チケットは値引き販売や無料配布という形を取らざるを得なくなりました。

その結果がこれです。

無観客レベルですね。

無料配布をしてもこないほど韓国ではF1の人気がないのに、なぜ開催したのか・・・立地が悪いという点もあったのかもしれませんが。

これを打破する秘策・・・「案山子(かかし)」です。

・・・ん?

観客がヘルメットをかぶってF1観戦は見にくいよ(ツッコミどころはそこではないが)

これについては、ドライバーからも、

  • ルイス・ハミルトン「空っぽの観客席からなんとかやる気を起こさないといけなかった」
  • ジェンソン・バトン「会場の雰囲気を盛り上げてくれるファンがいないレースはいつも悲しい。ファンなしにはスポーツは成り立たない」
  • マーク・ウェバー「F1は品格のあるイベント。維持できないと誰も見に来てくれない」

結果、韓国F1グランプリは、初開催以来150億円を超える多額の負債を抱えたとも報じられています。

問題点④マシンの消化に消火器観使用

衝撃的なシーン。

F1マシンが燃えている横にドライバー(マーク・ウェバー)が立っている。

マーシャルが炎上した車両を放置し消化作業をしにこないのだ。

これでマシンは全焼・・・

やっときたかと思えば、F1マシンに消火器を使用しているではないか。

通常、二酸化炭素消火器を使用する。粉消火器を使用してしまうと、エンジンやギアボックスが使用不能になってしまうからだ。

これでは、もう、このマシンは使えない・・・

この一連の作業については、

F1中継解説者の森脇基恭氏も「最低ですよここのスタッフ。今粉末消火器使いましたけど、あれで舐められた部品全部ダメになっちゃうんですよ。ホント最低ですね」と激怒したほど。

優勝したセバスチャン・ベッテルは表彰台で「韓国GPは今年が最後と聞いてる」と語り、更には「鈴鹿サイコー」とコメント。

問題点⑤コースの整備不良

正直、これが一番の問題点です。

なぜなら、人命にかかわるからです。

・路面はガタガタ、うねる路面

画像で見てもらえれば一目瞭然です。ストレートですらうねっています。

・油まみれ

雨が降るウェットコンディションの際に、舗装の油が流出し、各車がスピンしまくる自体となりました。

特に前日23日から降り続く雨によって決勝当日は路面に水が張った状態となり、多くのドライバーが最悪の状況と評した。

これは突貫工事で路面を舗装したことによってアスファルトの油分が抜け切れない状況での降雨が重なり、油分と水分が混ざり合って非常に滑りやすい路面となった為である(かなり工期を急いだことで、通常サーキットで行われる排水処理の工事まで手が回らなくなった為とも言われている)。

このせいで最初の4周以降は雨がやんでいるのにも関わらず、酷い水飛沫が上がる重度のウェットコンディションが40周以上続き、24台中9台がクラッシュした。

・路面に塗装しただけの縁石

結果、レース後には見事にはがれてしまいます。

ちなみに、日本GP(鈴鹿サーキット)の縁石は・・・

イタリアGP(モンツァ・サーキット)の縁石は・・・

各サーキットで違いがあるんですね

・芝は置いただけ

少しでも空気抵抗が変わると影響がでるような繊細なF1マシンですが、これでは・・・

なんといっても、その作業工程が・・・

まず接着剤で・・・

色が剥げているところには謎の液体を・・・と

・・・効果は不明です。

・危険すぎるピット出口

これは、もともと時計回りでコースを設計していたのですが、反時計回りになったことが原因のようです。

まだまだ語り足りませんが、FIAの審査を通過し“グレードA”を取得しているコースであることは間違いありません。

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