F1マシンがすごいのはわかる。
なにせ、最高峰の自動車レースの車なんだから。
でも、エンジンが1000馬力だぜ!と言われても、よくわからない。
そもそも馬力って何?
そんな人もいるのではないかと、調査しました。
馬力とは何か
馬力(ばりき)とは、読んで字のごとく、馬の力のこと。
1馬力とは、馬1頭がもつ力のことですが、ことはそう単純ではないようです。
馬力:輓馬(荷を引く馬)が、続けて荷物を引っ張るときの仕事率
と定義されています。
ポイントは、「続けて」と「仕事率」です。
続けてということは、一番高い力ではなく、継続して発揮する力ということです。
仕事率とは、仕事を時間で割ったものです。
ティッシュ100個を1時間で配るのと、10時間で配るのとでは、仕事効率的には10倍ですよね?
式としては、仕事率 P [W]=仕事 W [J] /時間 t [s]
となります。
イメージはできたでしょうか?
とはいえ、馬の力ですから、さらなる定義が必要です。
結果としては、
1馬力=75kgf・m/s
と定義されています。
重力加速度(1G)=9.81m/s²
と同じ理屈で、そういうものなんだと覚えましょう。
つまりは、
1馬力とは、1秒間に75㎏のものを1m運動させ続けられる力ということになります。
ポイントは続けること、
例えば、ジムで、75㎏のバーベルを1秒間で1mを持ち上げるとして、持ち上げ続けることができれば1馬力ということです。
1回持ち上げたんじゃダメだということですね。
1000馬力を比較してみた
人vs馬で勝負しても人が勝てるビジョンが見えません。
もちろん、人でも瞬間に1馬力を超えることは先ほどのバーベルの例からも明らかですが、
人の場合は継続してその力を発揮できません。
そもそも勝負する相手が馬や機械の時点で負け戦なわけですが・・・
さて、1000馬力がどれほどすごいのかというと、
・ウサインボルト選手は約1.28馬力※瞬間参考記録
・時速35kmで泳ぐイルカ(体重400kg)は、5.29馬力
・時速80kmで泳ぐマグロ(体重250kg)は、7.56馬力
・時速100kmで泳ぐカジキ(体重500kg)は、18.9馬力=250ccの単気筒バイクとほぼ同じ
・シロナガスクジラ(体重150t)は、1,732馬力=陸上自衛隊の90式戦車レベル
ん~、対動物では少し感覚がつかみにくい気がします。
やっぱり国産車で比較してみます。
- 日産 GT-R 600馬力
- レクサス 400馬力
- 日産 フェアレディZ 350馬力
- ホンダ シビック タイプR 320馬力
- 普通自動車 100馬力
- 軽自動車 50馬力
では、外国産車だと、
- ランボルギーニ アヴェンタドール 750馬力
- フェラーリ F12ベルリネッタ 740馬力
- フェラーリ 488スパイダー 670馬力
※もちろん、これらの車は、メーカーの車種やグレードによって数字は異なります。
さすがに市販車でF1マシンを超えるものはないようですね。
結局、F1マシンのエンジン1000馬力は何がすごいのか
馬力を上げるためには、単純に言えばデカくすればいいだけです。
バーベルを上げる人が60㎏の成人男性よりも120㎏のゴリゴリマッチョとで勝負すれば、結果は明らかに違いますよね?
このことから、重さや大きさを判断材料に加えなければ、馬力だけを単純には比較はできないわけです。
ちなみに、F1マシンは約730㎏です。
スズキのワゴンRが約750㎏なので、なんと国産の軽自動車よりも軽いわけです。
ちなみに排気量は1.5L、一般的な普通車、例えば、プリウスと同じ排気量です。
ランボルギーニのアヴェンタドールで750馬力ですが、この車は1.5tほどありますから、F1マシンの2倍ほど重たいわけです。
要は、F1マシンのエンジンの何がすごいのかというと、(便宜上、車体の重さ=エンジンの重さとします)
めっちゃコンパクトで、めっちゃ軽くて、めっちゃパワーがでる、エンジンということになります。
具体には、
一般的な普通自動車の重さで、一般的な普通自動車の大きさで、高級外国産車の1.25倍のパワーをだせるということになります。
もっといえば、
200万円の市販車にF1マシンを積んで、4,000万円の外車とで勝負したら、市販車が圧勝できるということになります。
※あくまでイメージですよ!