F1無線の中で、突然、ピー音がしますが、
実際に何を言っているのかよく分かりませんよね?
ピー音さえ、なければチームラジオをもっと理解できるのに!という人も多いはずです。
しかし、安心してください。
ピー音があってもなくても、言っている内容に変わりはありません。
F1無線のピー音は放送禁止用語
結論から言えば、ピー音は、放送禁止用語です。
普段見ているテレビでも、突然ピー音が入るときがありますよね?
それと同じで、F1にも放送禁止用語があるんです。
例えば、
そんな荒ぶるキミが好き#f1jp #BritishGP pic.twitter.com/A6B4K4k6qt
— キニ・ナルネン (@kini_narunen) August 3, 2020
このシーンは、2020年のシルバーストーンサーキットで行われたイギリスGPの映像です。
キミ・ライコネンがキレてます。
状況としては、
チームにピットに入れと指示⇒進路を変えた瞬間にコース上にとどまれと指示⇒もう間に合わない!指示が遅いんだよ!!
という感じです。
これを冷静に言葉として伝えることができれば、ピー音なんて入りません。
しかし、極限の世界で勝負をしているドライバーがいつも冷静とは限りません。
興奮状態にあるときは、チームに対して、自分に対して、怒りを言葉にする瞬間があります。
多くの場合、英語でもっとも下品とされる4文字の単語「F〇ck」
これを“the F-word“という。ちなみにF1ドライバーが多用する、F1用語だから「Fワード」というのではない……。
日本的にはいえば、”あなた”が”てめえ”になる感じです。
くそが!みたいなイメージで、その言葉自体に意味はなく、感情を表している感じです。
独り言ならいいけど、国際映像としてはアウトと判断されるわけですね。
あえて使う場合もある
無線で話した内容が国際映像にのるということは、他のチームにすべて情報がいってしまうということ。
情報漏洩をさけるために、放送禁止用語を使って映像を流せなくすればいいのでは?
ということで、あえて、ドライバーやチームが使う場合があるそうです。
F1無線のピー音はどこの誰が規制しているのか
ドライバーとチームが、放送するときに規制していると思っている人もいるのではないでしょうか。
シンプルにイメージダウンになりますからね。
私もそう思っていたのですが、F1中継時にそんな余裕というか時間がドライバーにもスタッフにもないなと・・・
完全にリアルタイムではないにしろ、数分後には放送されていますから
(そもそも、テレビがデジタル電波を映像にするためには何秒かはかかるので、衛星中継のラグなども含めると元々完全なリアルタイムでは見られませんが)
調べてみると、どうやら、「ピー」という自主規制音(ピー音)をいれているのはF1を放送している会社なようです。
FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)というF1の財務担当をしている会社があるのですが、そこが放送内容をコントロールしています。
FOMがチームラジオやオンボード映像など監視していて、民間に提供する映像・音声を選んでいます。
FOMが民間に流したいチームラジオを選択して、それに放送禁止用語が含まれていた場合、編集してから放送します。
ラグの間に編集して放送することによって、視聴者はリアルタイム感で聞くことができるということですね。
もちろん、無線は放送局が勝手に傍受しているのではなく、チームが放送局へ公開することに合意しています。