競馬の騎手になるためには、身長や体重に制限があると聞きます(乗るのが動物ということも関係しているのでしょう)
同じように、F1ドライバーになるためには、身長や体重にしばりはあるのでしょうか。
どれほど才能があって速くても、身長や体重に制限があれば、F1ドライバーになれないのでしょうか。
調べてみると、どうやら、制限はないよう。
しかし、レースでは、やはり有利不利がでてしまうようです。
F1ドライバーになるために身長や体重の制限はない
F1ドライバーには、身長や体重の制限はなく、
どれだけ身長が高くても、体重が重くても、理論上はF1ドライバーになることができます。
もちろん、速いこととお金をもってこれるかどうかが条件ですが。
各ドライバーの身長と体重
2020年シーズンの代表的なドライバーをピックアップしました。
- ルイス・ハミルトン 174㎝・68㎏
- セバスチャン・ベッテル 176㎝・58㎏
- シャルル・ルクレール 179㎝・69㎏
- マックス・フェルスタッペン 180㎝・67㎏
- ライコネン 175㎝・71.5kg
どうでしょうか?
意外と高身長なドライバーが多いような気がしますね(海外では小さいほう?ちなにみ、日本の成人男性の平均身長は172㎝です)
ベッテルを除いて(そんなに軽かったの・・・)体重については、身長からして標準体重なドライバーが多いようです。
とはいえ、全員、筋肉ゴリゴリです。
特にクビとかね、鍛えないと重力に耐えられませんしね。
ちなみに、
- 一番身長が高いドライバーは、アレックス・アルボンとエステバン・オコンの186㎝
- 一番身長が低いドライバーは、ランド・ノリスの161㎝
- 一番体重が重いドライバーは、アレックス・アルボンとニコラス・ラティフィで74㎏
- 一番体重が軽いドライバーは、ランド・ノリスの41kg
いくら身長と体重は比例するとはいえ、ノリスの体重が41㎏って・・・女子か!
いや、そこらへんの女子すてきなレディよりも絶対に軽い・・・
というよりも、それだけ小柄でもF1ドライバーになれるということはすごいことで、
ある意味、身体的には平等であるという証明でもあります。
もちろん、これらのデータは公表時点のものなので、
身長はともかく、体重については増減していることは言わずもがなですが。
F1マシンとドライバーの体重のトータル総重量の最低制限がある
F1マシンのドライバーを含む最低重量は、
- 2016年シーズンで702kg
- 2017年シーズンには728kg
- 2019年シーズンは740㎏
と、どんどん増加傾向にあります。
これはタイヤやウイングが幅広くなったことや、ハロの装着が義務化(6kg増加)されたことによる変更です。
もちろん、あくまで、最低重量ですから、この重量を超えることは何ら問題はありません。
しかし、重くなればなるほど遅くなるのが速さというもの
例えば、2017年シーズンで考えると、
マシンの重量が680㎏となった場合、ドライバーの体重は48㎏が最低制限となります。
48㎏より軽い場合は規定違反ですが、重い場合は違反にはなりません。
しかし、48㎏はいくら減量しても不可能です。(筋肉をゼロにすればなんとかですが、それではレースに耐えられません)
そのため、ドライバーの体重が70㎏だとすれば、他の車と比べて22㎏も重くなるわけですから、
それだけでディスアドバンテージです。
マシン重量をどれだけ軽くできるかが、マシン開発の大きなポイントだったわけですね。
2019年シーズンからは、体重の有利不利がほとんどなくなった
レギュレーションが変わる度にマシンを開発して、重量制限ギリギリを・・・
というのは、そんな簡単な話ではありません。
実際に、各チームは、新レギュレーション下でマシンを軽量化するのに苦労し、最低重量より重いマシンが複数走っていたそう。
単純に考えれば、軽いほど速いですから、
マシンでは減らせない・・・となると、
マシンの総重量を減らす唯一の手段は、もう、ドライバーの体重を減らすことしかありません。
無理矢理にでも体重を落とす必要がでてきますが、
身長が高いドライバーほど、骨格などの問題で減量にも限界があります。
つまり、これまでは身長が高いドライバーほど、不利だったわけです。
しかし、2019年シーズンからはルールが変更となり、
ドライバー(ヘルメット等含む)の最低重量は80㎏と規定されました。
もっと細かくいえば、シートの重量、さらにはその下に置かれるバラストが含まれています。
マシン自体の最低重量も、740㎏に引き上げられています。
まとめますと、
- 2018年シーズン⇒(マシン重量+ドライバーの体重)=最低重量728㎏
- 2019年シーズン⇒マシン重量660kg+ドライバーの体重80㎏=最低重量740kg
となったことで、高身長のドライバーの不利が軽減されています。
例えば、70㎏のドライバーですと、最低重量の80㎏には10㎏足りませんから、
シートを10㎏にすることで制限を満たさなければなりません。
足りない分は無理矢理にでも重くなるわけですから、80㎏までは調整しろがあるわけですね。
とはいえ、体重が80㎏以上のドライバーについては不利なことは不利です。
身長が高いことは不利ではある
身長が高いドライバーの体重制限が緩和されたことで有利不利はある程度なくっています。
しかし、身長と体重は比例するわけで、やはり身長が高いドライバーは80㎏という制限を意識せざるを得ません。
また、F1マシンのコクピットはバラバラで、全車、標準サイズに統一されているわけではありません。
各ドライバーに合わせて作っているわけでえす。
身長が低いということは、高い人と比べて、コクピットに多くの空間が生まれることになります。
もっと近くにラジエーターを持ってくることもできるため、有利なことは有利。
微差といえば微差ですが、このような細かい点で結果が左右されるのが勝負の世界というもの。
とはいえ、体重は何とかできても、身長は生まれもったものでどうしようもありませんので、
気にしてもしかたがないことです。