F1のマシンが自力でバック走行をしている姿をあまり目にしたことはありません。
ピットに入ったときも、チームのスタッフが手で押してガレージに引き上げますし・・・
もしかして、F1のマシンは前進しかできない仕様になっているのでは?と思う人もいるかもしれません。
実は、F1マシンはバック走行できるんです。
私が普段乗っている車と同じように走行可能です。
F1マシンはバック走行ができる仕様になっている
F1マシンのリバースギアは安全装備的なもので、
レギュレーションで装着しなければならないと定められています。
(リバースギアをバックギアともいいます)
ただ、レースでの必要性は著しく低く、邪魔です。
なぜなら、バック走行をしなければならない時点でレースは終わったようなものだからです。
なので、重量は最小限に抑えて作られており、壊れやすい(壊れてもいい)仕様になります。
実際にマシンをスピンさせてしまっても、
アクセルターンで転回してレースに復帰しますから、
使うことはほとんどありません。
アクセルターンのほうが復帰が安全かつ早いですからね。
ピットレーンでバック走行をすると失格になる可能性がある
F1マシンがバック走行しているところを私たちが見たことがない理由
それは、ピットレーンでリバースギアを使ってはいけないからです。
なので、ピットレーンでは、チームスタッフがマシンを押して戻すしか方法はありません。
タイヤが外れても、ガソリンを頭からかぶろうと、
レース中にドライバーがバック走行したら即失格となります。
もし、レース中のバック走行を見ることがあれば、それは相当なレアケースです。
レース中に逆走している車があったら恐怖です(一般道や高速道路で逆走している車と同様に、進行方向の決まっているコースでのバック走行は逆走なのです)
過去には、マンセルがタイヤが外れた際にバック走行をして失格処分となっています。
また、近年では、ハミルトンが「ピットレーンでバックギアを使用した」として警告処分されています。
バーレーンGPの予選3回目の終盤、ハミルトンはポールポジションを確定させてピットに戻ってきた。
パルクフェルメにマシンを止める際、マシンが少し斜めに止まってしまったためにバックギアで後退させて調整した。
ピットレーンではバックギアの使用が認められておらず、このことが違反に問われた。
なお、このケースは軽微だとして、口頭注意で済んでいます。