F1のレース終了のタイミングに合わせてチェッカーフラッグがふられますが、
可能性だけでいえば、世界中の誰もがふることができます。
極端にいえば、F1のことを1㎜も知らない人も振ることができます。
とはいえ、相当なコネが必要です・・・
本人のミスではないですが、振るタイミングを間違ってしまって、
レースが早く終わってしまったなんてこともあります。
F1のチェッカーフラッグは誰でもふることができる
チェッカーフラッグを振る人は、レースに精通した関係者である必要は一切ありません。
資格も必要ありません。
本当に誰でも振ることができます。
有名なところでいえば、デヴィッド・ベッカムが2019年のバーレーンGPで振っています。
とはいえ、バーレーンのシェイク・サルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子の計らいだったそうで、
こんなコネクションは一般人には不可能ですよね。
なので、実際は、ハリウッド俳優、スポーツ選手、スポンサーや首相レベルが振ることになります。
昔はコース上で振っていたんですから、危険もありましたが、今は上でふりますから、
安全面的にも誰でも大丈夫なんです。
F1はチェッカーフラッグが優先される
もともと、レースは周回数が決まっています。
コースによってその延長が異なることから、レースは約90分とされ、
1周にかかる時間を計算し、グランプリごとの周回数が決まります。
仮に、その周回数が60周だったとして、チェッカーフラッグを間違って59周に振ってしまったとします。
どちらが優先されると思いますか?
実は、チェッカーフラッグが優先されるんです。
F1スポーティングレギュレーション第43条2項
「いかなる理由にせよ先頭車両が所定の周回数を完走する前、または規定の時間が経過する前にレース終了の合図が出された場合は、その合図が出される前に先頭車両がラインを最後に横切った時点でレースは終了したものとみなされる」
つまり、最後の60周目に1位と2位が入れ替っていたとしても、
59周目が終わった瞬間の着順が優先されるということです。
これほどまでに重要な役割をもつチェッカーフラッグですが、
誰でも振ることができるため、過去に何度か間違ったことで、
レースが規定の周回数に達するまえに終わってしまったケースがあります。
この時代においても、肝心の終了の合図が人がやっているというモダンな感じですが、
2014年の中国GPでも、オフィシャルがチェッカーフラッグを早く出した事件もありましたから、
終了だと思った人たちがコースに入って事故が起こる危険性もありますし、
電子化できないものなのでしょうかね。
2018年のカナダGPで、チェッカーフラッグのミスで2周短縮
2018年のF1カナダGP決勝で、チェカーフラッグが誤って早く振られたため、70周⇒68周のレースに短縮されたことがあります。
F1スポーティングレギュレーションでは、なんらかの理由で首位のマシンが予定していた周回数を消化する前にレース終了の合図がなされた場合は、その合図がなされる前に、首位のマシンが最後にフィニッシュラインを越えた時点でレースが終了したとみなされる。
ハーロウは69周を走ったセバスチャン・ベッテルにフラッグを振ったため、規則に従い、今回のレースは68周で終了とみなされた。
カウントのミスに気付いたドライバーたちはそのまま走り続け、70周終了時にもチェッカーフラッグは振られた。
しかし混乱は生じていたようで、優勝したベッテルは、チームから70周走り切るまでプッシュし続けるよう言われたという。
幸いトップ10の順位には変更がなかったため、ポイント上の影響はなかった。
しかし、13位でフィニッシュしたセルジオ・ペレスは、オーバーテイク前の順位14位に戻された。
また、ダニエル・リカルドが終盤に記録したファステストラップは取り消され、それ以前に記録されたマックス・フェルスタッペンのタイムが採用された。
チェッカーフラッグを振ったのはウィニー・ハーロウですが、
これついては彼女に全く非はないでしょう。
なぜなら、この大役を自分が振りたいと思ったタイミングで振る人はいないからです。
必ず、裏で振るタイミングを指示している人がいますから、
その指示ミスが原因です。