2023年F1第18戦カタールGPロサイル・インターナショナル・サーキットで行われた決勝レースが過酷すぎてドライバーの体調不良が続出しました。レース後には、大勢のドライバーたちが、FIAのガレージで横たわり、中には救急搬送されるドライバーもいたほど。
この日の気温は30.9℃、路面温度35.6℃、天候は晴れ時々曇り、トワイライトレースで行われました。現地時間:10月8日(日)20:00スタート(日本時間:10月9日(月)2:00)。
なぜ、F1ドライバーたちが倒れたのか、ドライバーの生の声を紹介します。
F1ドライバーが倒れた2つの理由
世界のアスリートの中でもトップクラスであるF1ドライバーが倒れた理由として、
- 高温多湿のコンディション(トワイライトレースで気温は下がったが湿度は上がった)で風が穏やかだった
- 多数の高速コーナーを備えたサーキットで常にプッシュして走らなければならなかった(安全上の懸念から2023カタールGPではタイヤ1セットあたりの使用周回数が18周に制限され、比較的短いスティントでの走行を余儀なくされた)
この2点が、ドライバーに大きな負担をもたらしたと考えられます。
カタールは日本よりも蒸し暑い気候で、三方を海に囲まれているため湿度が非常に高い特徴があります。前代未聞のタイヤの周回制限付レースとなったこともあり、このレースは歴代1位の過酷さと言われています。
【ドライバーの声】我々は限界を知った・・・
優勝したフェルスタッペンのタイム「1:27:39.168」、約90分間、相当タフなレースを戦った各ドライバーの生の声をリストアップしました。
「今日の温度は高すぎた。トレーニングとは関係ない。一日中、サウナの中を歩いているような状態で、夜には湿度が上がる。許される限界に達していると思う。」
「身体的な負担が大きいレースで、今日、僕たちは限界を見つけたのだと思う。何人かがメディカルセンターに行かなければならず、気を失った人もいる。高速で走っていることを考えると、危険すぎる。これは行き過ぎだ。このコンディションでレースをすることは許容できない。」
「レース中、気分が悪くなった。オーブンの中にいるようだった。サウナでトレーニングすると、身体が限界まで追い込まれて、暑くて早く出たいと思うようになるが、今日は12周目あたりから、そういう感じになった。失神しそうになった瞬間が何度かあった。とても信じられない。」
「ドライバー全員にとって、キャリアで最もきついレースだったと思う。目がよく見えなくなり、反射神経が鈍くなって、正確な走りをするのが難しかった。最後の数周は危険な状況に陥る限界まで達していた。」
レース中、気分が悪いと訴え、チームに促され、40周/57周でリタイア。インフルエンザのような症状が出て弱っていたローガンは、レース中、重度の脱水症状を起こした。(チーム発表)
「レース中に気を失いかけたとして、フィニッシュ後、マシンからなかなか降りることができなかった。ストロールは脱水症状の治療を受けた。」(チーム発表)
「急性熱中症の治療を受けるために、メディカルセンターへ運ばれた。」(チーム発表)
「15周目と16周目に気分が悪くなって、2周の間、吐き続けた。レースがこれほど厳しいものになるとは予想していなかった。」
F1ドライバーのトレーニングは相当なはずで、それほどまでにトレーニングを積んできたドライバーですら、立ち上がれない、レース中に吐き続ける、途中でリタイア、この事実がレースがどれほど過酷であったかを物語っていますね。